ベルリオーズ、ジョン・ウィリアムズ、フィリップ・グラス
カフェを出ると、最初に出くわしたホテルに入った。
彼女ほど未熟な女と寝た記憶がない。まるで何も知らなかった。
だが学びたいという意欲に満ちあふれていた。
そして実際に上達はめざましかったものだから、けっきょく私も独り身の鉄則を破って、連れ合いのいる殺し屋に変身を遂げたのだった。
(センチメンタルな殺し屋 p11)
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悪魔をキーワードにクラシックの曲を探していた。
どんな因果か。
いま部屋でかかってるのはジョン・ウィリアムズのギターだ。
ムズムズする。
じき花粉の季節だという。
アレルギー持ちだと気づいてないまま越してきたのは「杉」並。
おまけに隣町は「松」ノ木町である。
どんな因果か。
そういえばギターの悪魔がいた、と気づいてYOUTUBEをさぐる。
アンダルシアのアラン・ドロン。
音源にあたるだけならすげーなあ…とクラクラなるだけで済むんだけれど、
映像だと手元足元が見えてしまうので言葉の手前のアレコレに敗北宣言しそうになる。
「フレアパンツ、その右裾には葡萄酒が、左の裾には薔薇の花束が隠されていた」
これはジブラルタルに伝わる海峡伝説というのは嘘です、ふっふ。
右から二番目のフルートが一瞬だけタモさんに見える。
いい曲。
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ヤン・ソギルは七、八年なんか一冊も本も読まないで大阪それから仙台でサケとカネとチャンネーにまみれ夜の帝王と呼ばれるうち借金ぢっぷりになってどちらの街にもいられなくなるのだけれどフらっと入った仙台の古本屋でたまたま或る本を手に取ったという。
どんな因果か。
それはヘンリー・ミラーの南回帰線だった。
おー。
知らない作家だったけど立ち読みで数行追っ掛けたら「俺はコイツ知ってる」とフるえたらしい。
おー。
彼の二十代の話し。
そういえばセプルベダと覚えるまでに三十回はゼブルベダと言い違えた。
あれは因果もなにもおそらくベルゼバブの呪いだった。
噛んだ舌なら痛いけれど噛ませた舌ならいかがでしょう。
夜の軽薄だって呪いのせいなのです。