いい本、真昼の月、NGATARI、天国


慣れてくるとアイデアはどんどん見えるようになる。人びとの生活の中からヒントを見いだすことが容易にできるようにもなる。しかし反対に、慣れは、概念を見せることを目的としたものをデザインしてしまう危険性もある。アイデアのもとは消さなければいけない。ものがアイデアを語ってはいけない。デザインとは概念を見せるものではなく、まず道具に徹することである。徹することで浮かび上がる共感のもとは、人びとの日常の記憶の断片なのである。
誰もが共有する日常の行為を使って、私たちはデザインで詩を書こうとしている。あたりまえだからこそ深く、どうでもいいくらい無自覚に、からだが知っている共感の美を探そうとしているのだ。 ―― 深澤直人


これ読みながらスケッチやるだけで、どんだけデザインの勉強になるか……と唸らせられる本。


「学生にね、ときどき尋ねるんです。
 “君たちが嬉しくなったり、心地よさを得るのはどんな瞬間ですか? 先週のレポートに書いてくれたように、有名なデザイナーの作品に接したり、流行のクリエーターの見栄えを間近にするとき? 本当にそうなのかな?”
 って。
 彼らはひとりひとり、素直な感性でものを見てきたはずなんです。その生き方の先にデザインを学ぶ場があったと思う。だけどデザインの勉強をしながら、次々とリリースされる情報や商品に触れているうち、人に、自分に、もともと備わっているセンスから発想することを忘れてしまうんです。ひょっとしたら僕だってそうだったかもしれないけれど、いまはこう思います。
 僕にとっての心地よさは、たとえば靴がすっと履けたり、炒れたての茶の香ばしさを嗅ぐ瞬間にある。だから、僕はこういう感覚に形を与え、何度でも呼び込める形を探し、そして手にとってくれる人まで届けたい。
 これがぼくのデザイン、デザインへの願いです」


このように、ちょっと思い出すだけでも「わーーーーーっ!!!!」と書けてしまうくらい、いろいろな言葉が刻まれてる。(うえのは黒川の要約っていうか回想録)
深澤さんの言葉に託されているのはラジカルな響き。だけど、その綴りには尖りや棘がない。生まれつき彼がこういう言葉の話し手だったのかどうかは、おれには分からない。ただ、おそらく違うだろう、本を読み終えたいま、彼は……そうじゃないんじゃないか、もともとは違ってたんじゃないか……と想像する。
なんだろうな……んー……わかりやすいところで言ってみると……川に転がり岩に当たることを繰り返す角ばった石みたいな? っていうかさ、深澤さんの説得力と発想力に富んだ、それでいて滑らか且つしなやかな言の列は、どこか切なくて痛々しい蠢動だったよ。
この本はそういった意味においても高橋悠治さんの『音の静寂 静寂の音』に響きあう。
ひとりであることを受け止め、モノ/ゴトを考え抜いた人たちが、やがて生業を超えたところで交わることの、胸を突くひとつの証、ふたつ星。


ギブスで書き物を始めてから、エクスにしてもフットデカにしても、いま書いてる長編にしてもそう、おれにとっては脈絡があっての文体や調子でやってきてるから、この流れこそ最前衛かつ証たてるべき現在とはいえ、うえに引いた
「……ものがアイデアを語ってはいけない。デザインとは概念を見せるものではなく、まず道具に徹すること……」
なんてモノ凄い身につまされたよ、もーやだーまいっちゃったよねーの心境で危うくオネーが目覚めるところだった、と脈絡も臍もなくオネーって書いたのにはワケがあって、ええっと……ワケがあったら臍も肘もケツもあるってことではあるけれど……そうそう、あの教育評論家の尾木っていう男子は何時カムアウトしたの? 


こないだTVで見てびっくりしちゃったよ。


もう評論家は引退するつもりなんだろう……いくら多くの日本人が軽蔑感と優越感に跨った和式でゲイタレントを面白がってるからって、あの調子じゃ尾木さんはガチ教育評論家としてはもうムリだろ……
だって「いやーん!」と「あはーん!」連呼してたよ。


あはーんってなんだよ……てか、あはーんて、なんか、な、なんかすげえ……


いやいやいや……すげーじゃないよ。
「いやーん!」じゃないんだよ! あなたはオッサンなんだから! いやーんは「こっちの科白だよ! 寝ていろ! このイロモンが!」と教育的指導を与えたかった。
今まで彼女に(!)「まったく教育者としてなってませんね! 子供はね! 大人の嘘を見抜くんですよ! 嘘はいけないんです! 最も子供の心を蝕む態度です!」って詰られてた全国津々浦々の老若男女は「おいっ、ごら! ずっと自分に嘘ついてたのお前だったんじゃねーか!」の心境ではないのか。
しかし彼女は(!!)ガチのマゾっぽかったので、我々がそのような強弁を揮ったりしたら逆に悦ばせてしまいそうで苦い気持だった。


おととい、この記事をリライトしていたら、かなり長くなって自分でも初めて確認する事柄がいっぱい出てきたので、これはやってよかったと細々と修正を終え、いよーしこれで保存だっとクリックしたのは、なんと確認用に立ち上げてた古い記事のブラウザだったから、リライト原稿まるごと失われた。
たしかにおれの凡ミス! だが何ヶ月ぶりかのショック!
もういい……ばかハテナめ……二度と書かなんぞ……貴様にユリアを渡すわけにはいかないんだ……とラオウっていたが、っていうかモノホンのラオウならこんなことぐれーでヘタったりしないわけだけれども、いいや兎に角この不貞腐れがよくなかった。なんだか……ハタ、ハタ、風にあおられる締め切られてないドアみたいな音が……ハタ、ハタ、鳴りやまないので困った。こころのすこやかにハタが障った。だから「おとといの言葉と自覚は二度と返ってこない」という不可逆性に抗った。すると……深澤直人さんの『デザインの輪郭』について書き始めたエントリーが ―― そのどこかで「Ecrit/NGATARI」マレイ君のエントリー(Nebular for thirteen / http://ngatari.com/blog/2010/02/nebular-for-thirteen.html)に繋げるはずだったエントリーが ―― なぜか尾木タンに触れた!


 飯 時 に  
 テ レ ビ つ け る の 
 も う よ そ う


ダルマさんが転んだ!



LIVEHOUSE『真昼の月、夜中の太陽』の丸椅子。
ペイントされた椅子はほかに20個くらいあったと思う。
こういう絵や装飾は誰にでもできそうで、
あ、いいな、
って感じさせるクオリティにするのはとても難しい。
誰が描いたんだろうと気になるけれど、
このどこかの誰かの作です的な非人称性も尊いんだよね。



こんどototo詩にゲスト出演してくれるマレイ君のバンド、NGATARIガタリ)。
このときは黒川が端っこに座ってたので、
この日の助っ人だったドラムス・アダチさんを映せず。
アダチさんはototo詩に遊びに来てくれるかもなので、
会えたらそこで激写するつもり。


NGATARIが演奏するちょっと前から、
フロアの女子率バリあがった。
なぜか?
いや、たぶんマレイ君のイケメンっぷりばかりでなく、
ボーカルとメロディの音色がレイディの琴線に触れるんだろう。
ピアノとドラムスが変拍子(っていうのかな?)で交錯するような、
いわゆるポップスっぽくないアレンジがほどこされてる楽曲もあったけれど、
バンドの雰囲気はオーガニックでソウルフル。



天国の宮国くん。
いや、そういう意味じゃないんだ。
存命です。
天国の宮国くん、なんですよ。ほんと。
天国というバンドのボーカリスト
宮国くんは沖縄出身の悪魔だ。
天国の演奏がはじまってすぐに「得体の知れないなにか」という、おおよそ物書きとしてどーかしてるんじゃないのかっていうズルいフレーズでしかやっぱり今はまだいえない、いえない言い知れない知れない言えないなにかが気持のなかにこみあげてきて、それは腹のうちからふきでるとあっというまに皮膚をおおい、おれは酸欠だったんだろう。おわってから泰信と意味不明な雄たけびをやりとりしたことはかろうじて覚えているんだ。


行ッタリ来キタリだよな。


ついに天国について書いてしまった。
内緒にしておきたかった。
でもここで話したのであらためて書こうと思っている。



天国の本間くん。
いや、そういう意味じゃないんだ。
存命です。
天国の本間くん、なんですよ。ほんと。
天国というバンドのピアニスト本間くんは、
調布に育まれた悪魔だ。
天国の演奏がはじまってすぐに「得体の知れないなにか」という、おおよそ物書きとしてどーかしてるんじゃないのかっていうズルいフレーズでしかやっぱり今はまだいえない、いえない言い知れない知れない言えないなにかが気持のなかにこみあげてきて、それは腹のうちからふきでるとあっというまに皮膚をおおい、おれは酸欠だったんだろう。おわってから泰信と意味不明な雄たけびをやりとりしたことはかろうじて覚えているんだ。


チョんぎろか、チョんぎろか、だよな。


ついに天国について書いてしまった。
内緒にしておきたかった。
でもここで話したのであらためて書こうと思っている。



@池袋「えるびす」東口店
すーぱーえるびす。
チャーシューの後味はまるでチーズ。
しなちくのシャキシャキ感とほどよい塩辛さも抜群だった。
この日のスープは
「酸味の効いた魚介醤油」と
「本格中華の香辛料が効いた白胡麻ピリ辛」の二種類。
ここに、香り高い白髪葱と燻製玉子とコシのよい中太麺がからまりあって、
そりゃーもう至福の一時っす。
あんまりオイシイんで一緒に行った泰信とテンションあがっちゃって、
きのーのさ! あの2人さ! あれなんだよ! すげー! すげー! ぜったいこんど来てもらろう! 
なんつってバカデカイ声をあげてることにまったく気づけず。
ちなみに「すーぱーえるびす」っていうのはおれが勝手につけだたけなので、
そういうメニューはありません!
お店で一番旨そうなつけめんをオーダーしてください。
チャーシューが15センチくらいあるから。