とある展覧会のあとのスケッチ。




アピチャッポンあきちゃん、
沈黙するカンバスとローカリズム&普遍性・人間性、とても命日に喩えられている
もうすこし続く終わるために行く胸を張って


1.東南アジアの土着的な文化・背景・宗教観生命観
2.核心を突くアートの行ききったところに感じ取れる普遍性や本質


1と2との行き来、見ていると心のなかに明滅するんだ、ローカリズムと普遍性が
爆発する爆竹や閃かれるフラッシュによる光線・閃光の点滅/明滅に印象は左右されるけれど意識や認識の内部には上の行きかいが激しい、わたし


はい、恋、人と動物
たまにお猿、犬
太郎はいない桃
あとはキジ・キジの話はなし
接写され
近い
遠いこともあり
見えて、いて、見えなくて
なにもかも偶然の運びなんて嘘、そんなのは嘘
カメラは据えられているし
仕掛けはたくさんほどこされていて
それを撮ろうとする意志もあるのだから
しかし「全貌」という先入観への批評性が強烈だ
全面的な把握だとか細部への操作、意志通りに遂げようとする創作を反省しろ
魂や命、生体にとって意志はノイズ?


なぁ、そいつ、花火の音と色、爆発させろ砕けろ


映像に、この音、出している……という事実・編集する、フェス、数秒のシーンから構成される映像の作品
して、自分でそれを貴している、角度やしんど、振動と震動・交錯する、交差する、交われスポットライトを使いモデルを口の下で、使われていることと光のずれ、それは偶然でもあり、捜査・編集されている時間だ、操られている誰に? 
操られている、誰に?





すべて、適う、それは嘘


だけど、つながれた手のシーン観て、交尾する猿のことを思ったりもするんよ
群れた狼が新竹みたいに揃ってる
群れた狼は石造りだから動きも育ちもしない、むしろ風雨に削られていく、のに、伸び盛りの竹のように、だ、あきちゃん? 君は夜をカンバスにする、みんなが明るいところを前提とし、光のもとからはじめることを省みることもなくなっていて、キャンパスはしろだし、描く場所も撮るところも基本的には明るい、昼、見ながらやるんだ、そうやってきた、続けてきたところだったのに、君はバラした。


見えるところから始める人と、見えないところから始める人がいて、君はもしかしたら、とっても最初だったかもしれない。





どれも、測る、なんて嘘


花火 ―― 狙って光を音を作ることはできないんだよ。どこが明るくなるかなんて予測でるはずがないだおうろ? 来ない。花火わ、焦げ、後、火傷するだけ、ど。音、ね、光、と、それから熱のと問題がある。演奏のような延焼をイメージしよう。可能性と危険性との割合を引き算で足そう。


火薬の量を嗅ぐんだ、煙やきな臭さじゃなくって、


どのような火花が光が散るかなんてわからん


ひばなや光の形や量をコントロールできるはずないじゃんな


ただ嗅ぐことはできる、嗅ごうとする、そして鼻のさきをいため、鼻のうちが焼ける
焼ける毛、焼ける皮膚、焼ける管の音だけの響く夜だな、


あとはもう夜に任そう


沈黙こそが君のカンバスだあきちゃん。
それは絵画への批判ではない。あくまでも提案で、愛や流れ、親と子に火曜、それは血、ぬるくてやわらかい暖かさによってプロポーズされる陰影だろうなんて星のように永遠ではない。きらめく、というのも嘘だ。すべて、叶う、なんて嘘 ――
真音に意味、人物、モチーフ、モデルが変わる場所も変わる
点滅。映写機、映画(元夜を捉えようとしている
消えているところに、たまに、点く。この割合は日常からいうと反転していて、あきちゃんは目を凝らす。
光を目撃し、それを、あたかもわかっていることかのように「光」と名指しすることの浅薄さを爆竹にこめた夜の思いでも一緒に解き放って。


―― そうだビチビチ爆ぜる、目撃した。おれは見て、ここまできたよ。誤解きた。まったくだ!


音と光がいつまでも仲良くしていると思うな」


わかってる
と、いいたい
いいたくなるんだ
癖だから
嘘のように癖
嘘のくせになんだ、なんなんだ!


映像作品はシーンの繋ぎで構成される。
はっきりとしたストーリーがなくても、こんなに抽象度の高い時間や景色・運動が感じとれる、さっき、あきちゃん、おれは君が夜や闇、沈黙をカンバスにしたと書いたけれど、それは至らない ふたりのライブ暗がりでやろう 手元に たいてい 小さなライト ことのするところに1人、光が、伴って、声が、聞こえるところに明かりがあり それは希望の一形態壊したの 火薬の量は調整できる、でも風や空気の質は読めないし、仕掛けたとおりに爆ぜるかといえば、たとえば愛のように、それは、それは あくまでもベースは無音に置かれる。


音と光とか軽々しくいうな沈黙の仕方も知らないくせに、なんだ





明の本当、
こんなにも、
多種多様とわかる気になるな気になる火花シャッターフラッシュスイッチなど。どれも仲良くしている音が違う。
シンクロしているようで巧妙だ。ズレ。光ればそこに音が聴こえ、音が聴こえたらなにかが動いているということを期待しているのは刷り込まれたから? 誰に尋ねたらいいのか? 光から別れた音があるかもしれない。音と離れた動きがあったらどうする。あきちゃん。君のせいで空回りする光を聞いた、さっき。あるはずの ―― とどくはずの音がいつまでも聴こえず、光だけがイっちまったよ。


たとえば、花火わ、時にマシンガンのような音に聞こえる爆薬爆弾閃光


また、これはレクイエムでもあった。殺された人々がいたんだろう?
亡くなった人が照らすこともあるよな


間にあうように、闇にあう、夜に問う
あきちゃんきみのカンバスは待機なのか、もしくは常なのか、と


人よりも獣よりも音よりも速いという光は紆余曲折に憧れることもあるだろうか
それは直線直情の明滅と花火、魂、爆ぜる
いなくなるときの人はたいがい最短距離で消えるよ


あきちゃん、でも、人は存在しているか背後に 照らし出すか 明るみ ――
きみが火をつけたことによって浮かびあがる
人や犬や猿の石像が
またひかるんじゃないかなって見ている、ここではひかりのほうが残像だから、
リズムを喰う牛を曳き
束の間を虫眼鏡に







アピチャッポン・ウィーラセタクン 「FIREWORKS (ARCHIVES)」 2014年9月11日(木) - 10月4日(土)